本日はお日柄も良く、ご足労くださり誠にありがとうございます。
皆々様の益々のご健康をお祈りしております。
この文章に辿り着くために足を運ぶ必要はないですけどね。
今日も今日とて視聴した作品の分析を行います。
『鋼の錬金術師』『鋼鉄状のカバネリ』
この2作を元に、物語において何を重視するかを感じたままに、心の赴くまま文字を連ねます。
メモのようなものです。
『主要なキャラ以外のキャラの重要性』について
鋼の錬金術師の全64話の視聴を終えた。
かねてより話数の多い話題作には目を通す気が起きなかった。
その画面や漫画へ釘付けになる時間が僕をそう思わせた。
漫画家になると豪語してるにも関わらず、へそ曲がりな僕はONE PIECEも碌に知らない。
最近ようやく13巻ほどまで手を伸ばすことは出来た。
滅茶苦茶面白かった。
メモがかつてないほど埋まって、僕はONE PIECEを漫画の教科書だと思っている。
やはり話題作は全て目を通さねばならないと心に決めた。
改めてONE PIECEについても分析した結果を共有します。
最高だった
この言葉がぴったりな作品が『鋼の錬金術師』だ。
具体的にどこが最高たりうる要因か。
キャラの魅力が抜きん出ている。
捨てキャラが全く、誰一人いないところだ。
村人一人とっても気持ちのいい連中ばかりだし、ヒロインの両親についても自国の殲滅対象を助ける医者だったりするし、主人公とその弟の心の強さに胸を打たれる。
軍や組織の思惑が交錯したり、食い止めたり利用したり、罪もない種族が滅ぼされ、その生き残りが復讐して廻ったり。
負の感情で物語は進むことがある。
しかし、悪の親玉も最後には憎めないやつだったりした(到底許されることではないが、悪の連中の大ボスだしね)
僕が考える悪は『歪んだ正義や目的のために、罪もない人の人生や周囲の人を壊したり殺した元凶』だ。
悪とは、歪んだ正義の成れの果てだと考えている。
鋼の錬金術師のキャラは全て性善説で描かれているから気持ちがいいのかもしれない。
人を『理由なく殺して廻っているやつ』を懲らしめたり『殺したり』して勝利としている漫画やアニメや物語が多分に見受けられる。
ありがちだし、これが普通かもしれない。
僕には、違和感しかないし、ストーリーテラーを生業とするエンターティナーならド三流だ。
一度省みたほうがいい。
まず『殺すことより生かすことの方が難しい』ことや、『生かす理由があり、生かすことでドラマが生まれる』ことを考えるべきだ。
『グロ描写やゴア表現や殺し』も、飽くまで表現の一つであって、面白さと直結しないことを理解しなければいけない。
そこに『拷問をした理由、腕がちぎれる理由、殺しの理由』がなければ、これかなり薄っぺらいのだ。
物事の激しさを表すよりも、人の内面の精密さを心がけよ。
人間味が薄弱な馬鹿が大量殺人をする
より
優しい奴が、誰かを殺した理由
の方がドラマが生まれるし、気になるし、場合によっては、この世のやるせなさに悶えるほどの悲しさや涙滂沱として禁じないかもしれない。
人間の形をしたハリボテが何かを言っていてもあくびが出るのは必然である。
鋼の錬金術師も予備知識として、見た人が説明する際に必ず『グロい』と聞いていたのだが、あれの魅力は絶対にそこじゃない。
命に重量を加えるためのスパイスに過ぎない。
キャラの内面を描くには、『行動や言葉や周囲の目や過去に何があったか』が大きく左右する。
これらがキャラの『言葉や行動』に重みが出る。
なぜ、こいつが
このキャラだから出る言葉だなぁ
鋼鉄城のカバネリは半分まで見た。
モブキャラの人間が、まさに紙のような人間味で気になった。
主人公が危機を救ったりしても『カバネだろ!カバネリだろ!』の一点張りだったり、かと思えば突然猜疑心が晴れたり、カバネ全体の魅力も凡庸と言わざるを得ない。
得体の知れない敵を得体の知れない強い女の子(敵の力を人間の心を持ったまま得たから)が無双する何番煎じかわからない設定だ。
劣化版進撃の巨人と感じた。
個人的に周りが敵だらけ、味方と思ってる奴にもあっさり裏切られる系はもう飽き飽きしているのかもしれない。
僕の考える魅力的なキャラは『芯が一貫して通っていること』が大前提の条件だ。
ONE PIECEのルフィは、何があっても海賊王になることを信じて疑わない。
鋼の錬金術師のエルリック兄弟は、体が元に戻ることを信じて疑わず、希望を捨てないこと、諦めないことを誰よりも大事にする。
そのキャラに集まる人も信念を持ったユニークで憎めないやつらで自分を持っている。
これは、何も主要キャラに限らない。
モブだって喩え小さなことでも芯が通っているキャラに読者や視聴者が助かってほしいと思うのだ。
もっと重要なのは敵の矜恃や信念、通す芯は何か、だ。
それが残虐なだけだと凡作にもなり得ないクソだ。
作者は転職した方がいい。
自身のためにも、周囲の人のためにも、見る人のためにも。
魅力的なヒールが創れる人は、最も優れた創作者だと僕は信じている。
敵が大事にしているものによって、戦う理由に魅力が漂い、人は敵やその戦の行方に惹かれるのだ。
だから、僕は鋼の錬金術師が最高と思えたし、鋼鉄城のカバネリはモブにいまいち情が移らず半端に思えた。
余談だが、鋼の錬金術師のグリードという強欲なキャラだが、あの印象の変化や主要キャラへもたらした影響や別れのシーンは見事過ぎた。
あれが、魅力的なヒールだと僕は考える。
自分の作品へ転用し、活かしていく。
鋼鉄城のカバネリも無名やイコマやタクミは滅茶苦茶魅力的だったし、アニメーションも素晴らしかった。
あれらが自分のライバルやこえるべき存在になるなら相手にとって不足はない。
みんなに楽しんでもらえる最高の作品をお届けします。
暫しお待ちを。